アバンの使徒たちの知られざる物語(サブクエスト)を描く、ドラゴンクエスト ダイの大冒険 初の小説『それぞれの道』の感想、紹介記事です。
※この記事はネタバレを含みます。
はじめに
2022年12月2日、『ダイの大冒険』初の小説が発売されました。
原作者・三条陸先生が監修し、アバンの使徒たちの知られざる物語(サブクエスト)が描かれています。
構成としては5章に分かれており、1,2章はダイの冒険中に起こった物語、3~5章はダイの仲間たちがパーティーから離れていた時に起こった物語となっています。
1.ダイの弟子
原作の第73話『マァムの決意』後から、ベンガーナに向かうまでに起こった物語です。
フレイザード撃破後、ダイとポップはマトリフの修行を受けていました。
そこに現れた"トラン"という少年。なんと彼は、ダイに弟子入りしたいと言い出したのです。
困ったダイでしたが引き受ける事になり、自身がアバンに教えてもらった「スペシャルハードメニュー」を受けさせる事に。
しかし、ダイに教える才能が無いのか、トランに才能が無いのか、どちらにせよ修行は難航します。
それでも、ボロボロになりながら毎日修行場に現れるトラン。どうやら彼には、時間がないようです・・・
2.海賊船あらわる
原作の第32話『パプニカをめざせ』の、ロモスからパプニカに向かう海上で起こった物語です。
レオナと再会するために一刻も早くパプニカに向かいたいダイたちでしたが、突然、船の動きが止まり、乳白色の霧に覆われてしまいます。
すると、まるで幽霊船のように朽ち果てた船が姿を現しました。
そして、その甲板に人影を見たというポップ。ダイとマァムの目には、何も見えていなかったようですが・・・
3.マホイミを習得せよ
原作の第73話『マァムの決意』後、パーティーを離れブロキーナの元で修業に励むマァムの物語です。
普通なら何年もかかるブロキーナの課題を数日でこなしてしまい、奥義を伝授されたマァム。
その奥義とは、体内の生命活動を異常促進さる幻の呪文、マホイミの原理を応用し、インパクトの瞬間、莫大な回復系魔法力を注ぎ込んで生体組織を破壊する、「閃華裂光拳」です。
類まれなる才能で今までの課題をすぐにこなしたマァムでしたが、この奥義だけは中々うまく物に出来ません。
チウは自分の修行よりも優先してマァムに付き合ってくれていますが、それが彼女には忍びないのです。
そんなマァムに対し、彼女を逸材だと認めるブロキーナは、成功しない理由を「自分の心に鎖をかけているからだ」と言いました。
4.鬼岩城へ
原作の第72話『勝利!そして・・・』で、鬼岩城の偵察に向かったヒュンケルとクロコダインの物語です。
ギルドメイン山脈の奥深くにある、魔王軍の本拠地・鬼岩城に向かい、魔王軍の動向を探るヒュンケルとクロコダイン。
ガルーダで空から一気に目的地に向かう事も考えましたが、魔王軍に気付かれぬよう、ローブで姿を隠し木々の生い茂る山の中を徒歩で進みます。
斜面を登ろうとしたその時、二人はうつ伏せに倒れている少女を見つけました。
辛うじて生きている少女の口に、薬草を含ませようと仰向けに起こした瞬間、ヒュンケルは言葉を失います。
5.レオナの休日
原作の第117話『それぞれの使命』後、世界会議を開催するために奔走するレオナの、とある休日の物語です。
魔王軍に対抗するために各国首脳を集めたサミットを行おうと計画し、その実現に向けて文字通り奔走してきたレオナ。
目の下に濃い隈を浮かべ、2分に1回あくびをかみ殺していると三賢者に心配されるほど、心身ともに疲れ果てている様子です。
三賢者にゆっくり休むべきだと促されたレオナは、今日1日公務の事を考えずに過ごすと決めます。
しかし、街に繰り出そうとするのであれば、パプニカの兵や三賢者も護衛として同行する事になるのは当然です。
そこで、こんな事もあろうと策を考えてあると言う三賢者。
彼らの計らいもあり、ベンガーナ城に設けられたパプニカ首脳陣のために用意された客間から、見事抜け出し街に繰り出すレオナでした。
まとめ
5つの物語全てとても読み応えがあり、あっという間に読み終えてしまいました。
公式からこういった書籍が発売されるのは、とても嬉しいですよね。
今後、もしかしたら「魔界編」などの続編が小説で発表される可能性もあるのかな?とも感じました。