ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第31話『知将の決断』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2023年7月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・地底魔城突入!!
地底魔城に突入したアバンたち。
内部には大量の魔物たちが待ち構えており、アバンたちを魔王の場所から遠ざけるように配置されているようです。
全ての魔物を倒していては、体力を消耗してしまい敵の思う壺なので、とにかく蹴散らし前進する事を最優先にします。
しかし・・・湧いて出る魔物の群れに追い詰められ、逃げ場を失ってしまいました。
これは、原作でヒュンケルの居城となった地底魔城に、ダイたちが突入した際に魔物たちに追い詰められた場面のオマージュですね。
ここでマトリフが、上り階段を発見します。
追い詰められたアバンたちは、逃入る様に階段を駆け上がりました。
そして、階段を上り切った先は、空が見える屋外の闘技場だったのです。
ここまでも原作と同じですね。原作同様、魔物たちは、この闘技場に追い込むためアバンたちを追い詰めていったのでした。
原作では闘技場でヒュンケルが待ち構えていましたが、ここでは"ガンガディア"が登場します。
この闘技場、捕えた人間と魔物の戦いを見物するための施設と知られていましたが、元々は魔物たちが腕を競うために建設されたそうです。
・ガンガディアの狙い
ガンガディアは、勇者一行と雌雄を決するのに相応しい場所として、この闘技場を選んだと言います。
ガンガディアの挑発的な態度に、構えをとるロカとレイラ。
しかし、奴とやりあうなら俺が適任だと、マトリフが二人を制止しました。
そして、ガンガディアが出てきた場所が魔王の間へと繋がっていると読んだマトリフは、俺が戦っている間に駆け上がれと言い攻撃呪文を放ちます。
この、"全ての戦いを勇者のためにせよ"を体現する行動は、原作で殿を務めたヒュンケルや、キルバーンの標的を自身に向けさせたアバンを思い出させます。
マトリフが戦っている間に、階段を駆け上がる事に成功したアバンたち。
この時、ガンガディアは何故か余裕の表情を浮かべていました。
そして、その表情を見たアバンは、何を思ったのか装備していた盾を投げ捨てていきました。
「悪いが相手はオレ一人だぜ。この場は動かさねえ」
そう宣言したマトリフに対し、あなたは一つも悪くないと言うガンガディア。それどころか、感謝の気持ちしか湧かないと意味不明な事を言っています。
しかし、それには理由がありました。何故ならガンガディアは、マトリフと一対一の勝負を望んでいたからです。
ウロド平原での戦いで、マトリフが見せた火炎系と氷系の呪文の融合爆発を、神業と褒めたたえたガンガディア。
あの後、彼は何百回と試したが一度も成功しなかったと言います。
そのおかげで、ガンガディアの両手はボロボロです。
マトリフがあの奥義を完成させてから挑んでくると読んでいたガンガディアは、何と名付けたのか尋ねました。
"メドローア"
そう名付けたと言うマトリフに対し、自分が生み出した呪文に名を付けられる者はこの世に限られると、ガンガディアは憧れを抱いています。
それ程までにマトリフの能力を認めるガンガディアは、マトリフとアバンが二人でハドラーと対戦する事が一番の脅威だと考えたのです。
そのため、勇者を無傷で魔王に挑ませようとしている事を見越した上で、マトリフだけを切り離したのでした。
・ガンガディアの秘策
ガンガディアの狙いが分かった以上、マトリフには一対一の勝負を避ける理由がありません。
「・・・わかったよ来いよ」
そう言って戦う意志を見せたマトリフですが、ガンガディアの様子が変です。
自分の能力だけで戦いたかったが、今の魔力ではマトリフに太刀打ちできないと言うガンガディア。
しかし、魔王軍の幹部である以上、彼にとっては勝利が絶対条件です。
そこでガンガディアは、以前、ヨミカイン魔導図書館から持ち帰った"禁断の書"を取り出します。
どうやら彼は、この禁断の書の力を借りてマトリフと戦うつもりのようです。
魔導書を見たマトリフの表情が一変します。
しかし、どんな古代の超呪文でも"メドローア"に勝る物などそうそう無いと、己に言い聞かせました。
「ドラ!」
ガンガディアがそう呟いた、次の瞬間!?
彼の右腕が異様なほどに盛り上がり、その右腕から放たれた一撃によってマトリフは吹っ飛ばされてしまいます。
体力強化の呪文!?
マトリフの読みは当たっていました。
ガンガディアは、魔力で太刀打ち出来ないのであれば、圧倒的なパワーで押し続ければ呪文を作る事が出来ないと考えたのです。
「だったら!そっちの動きを止める!」
マトリフは氷系呪文を放ち、ガンガディアの動きを封じる作戦です。
ところが・・・!?「ドゴラム!」
今度はガンガディアの頭部がまるでドラゴンの様に変化を遂げ、口から燃え盛る火炎を吐き出しマトリフの呪文をかき消してしまいました。
"ドラ"、"ドゴラム"。この二つの呪文にマトリフはピンときます。
そして、ここまでは試した事があると言うガンガディア。しかし、最後の一つは初めてだと言います。
ガンガディアは、これが己を一番強くできる呪文だとは知っていたが、それでも中々使う気にはなれなかったのです。
何故なら、彼の理想とは真逆の戦い方になるからです。
しかし、彼は今、自分を捨ててでもここでマトリフを倒さなければなりません。
「見たまえ!己を捨てて獣と化した我が姿を!」
「ドラゴラム!!!」
最後の変身でガンガディアの姿は、完全なる"ドラゴン"へと変化します。
眼鏡をかけたドラゴンの姿は、原作でアバンが変身した姿と酷似していました。
伝説の火竜変化呪文"ドラゴラム"。
マトリフは、それが実在した事に驚きを隠せません。
そして、ドラゴンのブレスは呪文ではありません。そのため、ウロドでの戦いの時の様に"ヒャド"を重ねて"メドローア"を作る事も出来ないのです。
ガンガディアの顔面に攻撃呪文を放つマトリフですが、その硬い皮の前では無力でありガンガディアは笑みを浮かべています。
こなったら、"ベタン"で押し潰すしかないと考えたマトリフ。"トベルーラ"で舞い上がりますが、ドラゴンの飛翔能力で一瞬にして追いつかれ、尻尾の一撃で地面に叩きつけられてしまいました。
「・・・打つ手が・・・ねえ!」
ただでさえ並外れたパワーのガンガディアが、ドラゴンの力を得てしまったのです。
追い詰められたマトリフは、心が折れてしまいました。
そして、止めをさそうと口に炎を溜めるガンガディア。
死を覚悟したマトリフでしたが、ここで誰かに足で頭を持ち上げられます。
それは、"カノン"でした。
「・・・てことは、あの世か?」マトリフの問に、「あんたがここに来るにはまだ早い」と答えたカノン。
カノンは、空が見えていて呪文が使えるのであれば、一旦"ルーラ"で逃げればいいと提案しますが、マトリフは却下します。
もしここで逃げたら、アバンたちもやられていまいます。
それに、ガンガディアから逃げる訳にはいかないと言うマトリフ。
自分のこだわりを捨ててまで、真っ向勝負を挑んできてくれたガンガディアから逃げる訳にはいかないのです。
そして、「逃げはおおかた悔いを残す」
マトリフの言葉を聞き納得したカノンは、彼の身体を起こしました。
「さあ!立って最後まで戦ってきな!アタシの・・・大事なクズ野郎!」
身体を起こしたマトリフの前には、今にも炎を吐き出そうとしているガンガディアの姿が。
するとマトリフは、"ある物"を思い出し呪文でそれを引き寄せました。
そして、次の瞬間、燃え盛る炎がマトリフを襲います。
絶他絶命のピンチ!!・・・かと思われましたが、マトリフは間一髪の所で先ほどアバンが残していった盾で炎を防いでいたのです。
ガンガディアは、まさかアバンがこうなる事を見抜いていたのか!?と驚きを隠せません。
マトリフ曰く、恐らくそれはアバンの直感でした。彼は、ガンガディアの余裕の表情から何か秘策があると感じ、万が一のために自身の防具を残していったのでした。
味方ながら、恐ろしい奴だと言うマトリフ。
「・・・やはり私の考えは間違っていなかった」
マトリフとアバンの二人が、魔王軍にとって最大の脅威である事を再認識したガンガディアは、マトリフを倒した後にアバンを倒すつもりです。
しかし、打つ手が無い筈のマトリフですが、何故か勝つのは俺だと自信を覗かせています。
"ドラゴラム"が強烈すぎて、たった一つだけお前に勝る武器が残っていたのを忘れていたと言うマトリフ。
武器?そんな物があるのかと、ガンガディアも困惑しています。
その武器とは、ガンガディアも褒めていた、"頭"です。
・感想、まとめ
地底魔城突入から階段を駆け上がり闘技場での死闘と、原作と同じ流れに胸が熱くなりました。
そして、まさかガンガディアが"ドラゴラム"を使うとは。
更にドラゴンに変身したその姿が、アバンの"ドラゴラム"と酷似しメガネ姿だった事にも驚きました。
絶対絶命のマトリフですが、"頭"という武器でここからどの様に逆転するつもりなのでしょうか?
並みの呪文では、ドラゴンの硬い皮膚の前には無力だと思い知らされた筈ですが・・・何か秘策があるのでしょう。
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