ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第2部「先生編」 53話 『光と闇の狭間で』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2025年9月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。

・アバンの書
ベルクスたちとの死闘が終わり旅立とうとするアバンに、グノータは彼が書いたノートを書き写させてもらったお礼にと、カバー新調しておいたと言います。
そのカバーこそが、原作で登場した“アバンの書”そのものでした。
君を尊敬する若者たちが、その本を道標にして進むだろうと言うグノータ。
まさに、彼が言った事が現実となり、アバンの弟子であるダイたちが実践しました。
そして、グノータとシュプレも武器探しの遠征にのために、旅に出ようしているようです。
留守にする事で武器のコレクションが心配だと言うアバンでしたが、いくらお宝でも振り回してくれる孫がいなければただの置物だと、グノータにとって一番大事なシュプレを連れていくのだから問題はないのです。



ある意味、シュプレを成長させたヒュンケル。
チュゴナの時もそうでしたが、すでに彼は戦いの中で人の心の中に希望を灯せる存在であり、一人の立派な選手なのです。
そんな風にヒュンケルも見るアバンは、もう教えられる事は尽きたかもしれないと感じます。
お互い旅に出る、アバンとグノータ。グノータはまず“ベンガーナ”へ向かうと言います。
彼曰く、王宮に凄い腕前の武器職人がいるとか。その人物はポップの父親である“ジャンク”に違いないでしょう。
一方のアバンは、地底魔城に近い“ヴィオホルン“の近辺に向かうと言います。
シュプレの事を羨ましく思うヒュンケルは、彼女の様に本当の家族と絆を深めたいのです。
しかし、父親の仇であるアバンとは、そうはなれません。彼の中でそんな葛藤が渦巻きます。



”ルーラ“でヴィオホルン近辺へ向かった二人。いつもの様に着地に失敗するかと思われましたが、尻もちをついているのはアバンだけです。
まずは自分以外を無事に降ろせるようのトライしたと言うアバンに対して、先生も成長するんですねと少し馬鹿にした言い方のヒュンケル。
弟子の成長に負けてはいられないないと、アバンも頑張っています。
そして、地底魔城のある山から吹く風に、懐かしさを覚えるヒュンケル。
彼はバルトスとの思い出に浸っているようです。


・黒の核晶
一方その頃、バーンから魔軍司令としての身体が出来上がった事を告げられたハドラー。
その身体を使えば戦闘力が飛躍的に向上しますが、それには13年という眠りを要します。
覚悟を語ったハドラーの魂が、バーンの手中へと吸い込まれていきました。
待っていろ・・・生きていろよアバン!俺が・・・覚醒するその時まで!・・・アバン・・・アバン!
ハドラーにはあえて言っていませんが、アバンがこの付近に来ている事をミストバーンの配下である、シャドーからの報告で察知していたバーンたち。
引き続きアバンの動向から目を離すなと警戒するバーンは、彼の事を地上で最も警戒する男だと、その実力を認めています。


このまま平和ボケして衰えてくれれば一番ですが、ベルクスたちに狙われる事によって、予想外の化け方をしてしまうかもしれないと警戒しているのです。
そして、ハドラーの身体に最後の仕上げをしに訪れたバーン。
それこそが、原作でハドラーの身体に埋め込まれていた“黒の核晶”です。
一つの大陸を吹き飛ばしてしまう程の威力をもつ、“黒の核晶”。
これを埋め込んで、ハドラーの身体が完成します。
また、その一部始終をこっそりと見ていたキルバーン。
彼が原作でこの事実を知っていた事の伏線が回収されました。




・光と闇
その頃アバンは、闘気を放つ技“グランドクルス”を教えていました。
魔法が使えないヒュンケルは、剣を封じ込まれてしまえば武器は闘気しかありません。
体内の全闘気を集中させて放つために、身近な物を交差させて集中点を作ります。
だから闘気が十字に放たれるのですね。
しかし、闘気は生命エネルギーであり、操るのが難しいと言うアバン。
ヒュンケルの様に殺気立ち高ぶった心では、逆に己の生命を危険に晒しかねません。



アバンの言葉にムッとするヒュンケル。
彼の天才的な戦闘センスは認めると言うアバンですが、時折その心が心配になるとも見ているのです。
闘気を制御する技を覚える事で、人間としての成長も期待するアバン。
しかしヒュンケルは・・・
「必要ありませんよ、そんな技」
要は剣だけで相手を仕留めればいいと、全く聞く耳を持ちません。
アバンに言われた事が図星で、強がっているのかもしれません。
これにはアバンも頭を抱えてしまいます。
もうこれ以上、自分が彼を強くしてあげる事は出来ないかもしれないと。
全てを打ち明ける時がきたと、覚悟を決めるアバン。
そして彼の手には、卒業の証である“アバンのしるし”が・・・


一方のヒュンケルは、“グランドクルス”の練習を始めようとしていましたが、あの人の後追いをしていたら一生勝てないと考え、すぐにやめてしまいました。
そして、彼が選んだのは魔物の技でした。
将来、恐らく“ブラッディースクライド”となるであろう技が放たれ、森の木々を薙ぎ倒してしまいました。
すると!?
ヒュンケルは背後に強烈な殺気を感じます。
しかも、こんな間近になるまで気付かなかった事にも驚愕します。
彼の背後にはミストバーンの姿が・・・
原作ではヒュンケルの身体に狙いを定めていたミストバーンでしたが、この時すでに?





・感想、まとめ
今回は原作に繋がるシーンが多く登場しました。
ハドラーに“黒の核晶”埋め込まれる様子や、それを見ていたキルバーン。
“グランドクルス”を教えるシーンや、卒業の証に渡す“アバンのしるし”、魔王軍時代のヒュンケルの必殺技である“ブラッディースクライド”など、本作から“ダイの大冒険”本編への繋がりを感じさせる物ばかりでした。
最後に、ヒュンケルの背後に近づくミストバーンでしたが、彼の狙いは一体?
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