ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第39話『我は魔王』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2024年4月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・大将戦開始
地底魔城に突入したフローラたち。
アバンたちが蹴散らした後ということもあり、スムーズに進む事が出来ます。
ここでチョコマが、”リリル”というはぐれた仲間を探す呪文を使っていました。
これは、勇者アバンと煉獄の魔王オリジナルの呪文ですね。
そして、呪文の示す方向へと進むと、闘技場で倒れているマトリフを発見します。
しかし、チョコマが軽く身体を叩いただけで血が吹き出してしまう程、彼は瀕死の状態でした。
そうこうしていると、急に強い揺れが彼らを襲いました。
地震!?かと思われましたが、どうやらこれは、アバンとハドラーの強大な力に城が震えているようです。
おそらくこの先に、ロカやレイラが倒れている筈だと言うマトリフ。
しかし、魔王の間へは決して近づかないよう、注意を促しました。
ここからは大将戦。迂闊に加勢する事は、かえってアバンの不利に働いてしまうのです。
今、彼らに出来る事は、勇者を信じる事だけです。
一方その頃、二人の戦いは始まっていました。
アバンの剣とハドラーの攻撃呪文が、激しくぶつかり合います。
両者一歩も引かない死闘。
二人の実力は互角といった所でしょうか。
・アバンの狙い
ハドラーと互角の戦いを繰り広げるアバンに対して、キルバーンは驚いています。
彼はミストバーンに同意を求めますが、返事は返ってきません。
また無視か・・・と、いつもの事のようですが、彼が口を開くのは15年後の団長招集時になります。
原作で言われていた、一度口を閉ざすと数十年は開かないというのは本当だったようです。
アバンとハドラーの実力は互角に見えますが、「真の互角ではない」とバーンは言います。
そもそも、人間と魔族では体力・魔力の桁が根本から違います。
つまり、今は互角でも限界が先に来るのは人間です。
それが分からない勇者でもないだろうと、アバンの猛攻には何か意味があるとバーンは睨んでいるようです。
それは、ハドラーも勘付いていたようです。
自分の体力・魔法力が残っている内に押し切る。
自身が人間だとしたら、同じ様に攻めると考えたハドラーは、ここで気が付きます。
"あの技"が完成したのだと。
一気に止めの一撃を喰らわせるには、あの"未完の奥義"しかなく、しかもアバンの目は自信に満ち溢れています。
「舐めるなアッ!」
押し切られてたまるものかと、ハドラーはアバンの剣を左手で握り、彼の動きを止めたまま右拳で思い切り殴りかかりました。
絶対絶命のピンチかと思われましたが・・・!?
なんとアバンは、咄嗟に剣を放し攻撃を避けると、そのまま背負い投げでハドラーを投げ飛ばします。
そして、ハドラーが壁にぶち当たり剣を落とすと、その剣を拾い"アバンストラッシュ"を放ちました。
瞬時の判断と見事な連続技により、形勢を逆転します。
・ハドラーの過去
咄嗟の判断で剣を手放したアバンに対して、あれはなかなか出来るものではないと言うバーン。
アバンの予想外の反撃が、今まで幾度もハドラーの心に傷を残してきました。
そして今回もまた、その傷が一つ増えたのです。
バーンは、この後ハドラーがどう出るかが気になるようです。
心が折れてしまったのか、ハドラーは死を感じていました。
「・・・久しいな・・・いつ以来だ・・・?」
どうやらハドラーが死を感じたのは、今回が初めてではなかったようです。
彼は、自身の若かりし頃を思い出していました。
地面に倒れている彼の周りを、魔界の魔物の大軍が取り囲んでいます。
その中の"てっきゅうまじん"の1匹が、ハドラーに止めをさすべく鉄球を振り下ろします。
しかし、その鉄球を掴んだハドラーは、そのまま反撃を喰らわせ魔物の大軍を壊滅させてしまいました。
この争いは、ハドラーが魔物たちに「地上に攻め入るから部下になれ」と言って回っていた事から発展したようです。
この魔界は、今や最低の地獄だと吐き捨てたハドラー。
彼は、この腐った世界を捨て、地上を支配するつもりです。
大魔王バーンは、魔界に太陽を取り戻すために地上を破壊する計画を進めていましたが、ハドラーもまた神々に見捨てられた魔界に嫌気がさしていたのでした。
やはり魔族からすれば、自分たちだけが地獄の様な場所に閉じ込められている事に、納得がいかなかったのでしょう。
地上へ出る方法は分からないが、何百年かかろうが出ると断言するハドラー。
自身のように野心に燃える魔族や魔物を束ねて、"地上の魔王"になる!!
彼はこの時、地上の魔王になると誓ったのでした。
過去を思い出し、己を奮い立たせたハドラー。
死を感じた彼は、その迫る死にひりついています。
それは、魔王になると誓ったあの日以来です。
"アバンストラッシュ"で押し切れなかったアバンは、立ち上がったハドラーを見て驚愕の表情を浮かべています。
しかもハドラーは、「やっと身体が温まってきたようだぞ!」と先ほどまでの闘いが、ウォーミングアップだと言わんばかりです。
・一筋の光明
次々と炎を投げつけるハドラー。
アバンは、何とか剣で捌きますが、防戦一方の状態で一気に距離を詰められ、炎の拳をモロに喰らってしまいます。
テンションの上がっているハドラーは、己をここまで追い詰めてくれた事に礼を言います。
彼はアバンに死を感じさせられた事で、魔王としての決意を思い出しました。
やはり彼にとってアバンは、我が物にならなくとも特別な価値があるのです。
その様子をジッと見つめる、バーンたち。
ミストバーンはハドラーのその姿を、勇者を焼き尽くす地獄の炎・・・まさに"獄炎"だと称します。
ハドラーは止めを刺すべく、"イオナズン"の構えをとります。
「その名は忘れんぞ勇者・・・アバン!」
ハドラーがアバンの名を呼び、彼の顔を見るとなんと!?その目は生気に溢れ、何かをじっと観察しているようです。
しかし、発射体勢に入っていたハドラーは、そのまま呪文を放とうとしましたが・・・!?
次の瞬間、彼の左腕から血しぶきが上がりました!!
一体、何が起こったのか!?
ハドラーの左腕はずり落ち、それと同時に彼の溜めていた呪文エネルギーもその場に落下します。
そして、地面に落ちた呪文の爆発に巻き込まれたハドラー。
この瞬間、アバンは勝利への一筋の光明を見出したのでした。
・感想、まとめ
アバンとハドラーの死闘が描かれていました。
互角に見える戦いでも、人間と魔族の違いからスタミナ系にかなりの差があるようです。
そして、若かりし頃のハドラーが登場しました。
彼は若い頃から、魔王になり全てを掌握するという野望を抱いていたのですね。
そんなハドラーを部下にし、彼が一切歯向かう事の出来ないバーンは、やはり次元の違う存在なのでしょう。
防戦一方に見えたアバンですが、いつの間にハドラーの腕に傷を付けたのでしょうか?
その方法こそが、彼が見出した勝利への一筋の光明なのでしょうか?
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