ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第2部「先生編」 45話『新たなる脅威』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2025年1月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・動き出した影
平和の尊さを知るのは、それを得るために必死に生きた者たちだけに限られるのだろう・・・
平和が訪れた世界で、黒い欲望のために動き出すいくつかの影がありました。
新魔王軍の幹部となる人材をスカウトするために、暗躍するハドラーもその一人です。
彼は、以前命を助けてもらった"クロコダイン"の元を訪れていました。
軍団長の件は前向きに検討すると言う、クロコダイン。
しかし、鋼鉄と言われる彼の身体はボロボロです。
"魔斧のグロイサン"と名乗る仮面の男との戦いで、大怪我を負ったようです。
「あそこまでの力の持ち主がいるとは思わなかった」
獣王と呼ばれるクロコダインが言うのですから、納得です。
お互いの渾身の一撃が武器を砕き、双方痛み分けのようになりましたが、グロイサンの武器は切先が砕けたのみであり、一方のクロコダインの武器は粉々に壊れてしまいました。
命拾いしたのはこちらかもしれんと、相手の実力を素直に認めるクロコダイン。
そこでハドラーは、"百獣魔団"の軍団長になった暁には、極上の斧をくれてやると約束します。
この斧こそが、原作でクロコダインが持っていた"真空の斧"なのでしょう。
内心ハドラーは、アバンの一味以外にそこまでの強者が現れた事に驚いています。
そして・・・"魔斧"という単語に何か心当たりがあるようです・・・
・アバンたちの滞在する地
一方、リンガイア王国西部に位置する"チュゴナ"を訪れていた、アバンとヒュンケル。
壊れた古代遺跡などが点在する事から、かつては一つの国であったと推察されるこの地ですが、現在では農夫が暮らす平穏な里にすぎません。
世界各地を回ってきたアバンたちは、この里の外れに滞在していました。
得意の料理をしているアバン。
すると・・・!!突然ヒュンケルが飛び掛かり、無防備なアバンに剣で斬りつけました。
しかし、何とアバンは何一つ焦る事なく、鍋のフタでヒュンケルの猛攻を全て防御しています。
しかも、その間も手を止める事なく、何事もなかったかのように料理を完成させました。
そして、朝食を食べ始めた二人。アバンが点数を聞くと、ヒュンケルは75点と辛口の採点です。
戦いに関しては満点だとアバンの実力を認めるヒュンケルは、一度も攻撃が身体を掠めた事もないと内心凹んでいます。
対してアバンは一向に距離が縮まらないと、両者それぞれの悩みがあるようです。
そこへ、チュゴナの里の少女"ノイル"が、里で収穫した食料を差し入れにきてくれました。
先日、里の収穫を手伝ったという二人。
そして何より、「未来の勇者を育てるために修行の旅をされているなんて、とても立派な方だ」と、長老もアバンに対して協力的なようです。
ノイルは、二人の修行を見てみたいと言います。
ヒュンケルの剣裁きを見たノイルは、自分とあまり歳が変わらないのに凄いと驚きます。
そして、アバンもまたヒュンケルに剣士としての資質があると、とても高く評価しています。
彼はヒュンケルに、ロカの姿を重ねます。
しかも、"大地斬"はほぼモノにしており、"海波斬"も時間の問題と、原作でのダイと同じく習得スピードが桁違いに早いようです。
ただし、"空裂斬"だけは彼の性格やこれまでの境遇から、習得に時間を有すると分析します。
・それが勇者
修業の合間、ふとヒュンケルが疑問に思っていた事を口にします。
なぜ、勇者本人なのに、"勇者を育てる先生"などと名乗るのか?もし勇者と名乗っていれば、もっと楽に旅が出来るのではないか?
これには理由が二つあるようです。
一つ目は、戦いで傷付き、今でも病床の仲間たちがいるのに、自分一人が英雄の様に扱われるのは耐えられない。
とてもアバンらしい理由です。
そして二つ目は、「世界の真実を知るため」です。
もしアバンが勇者だと知れば、誰もがよそ行き対応をするでしょう。
それでは、本当の世界が見えなくなってしまいます。
アバンが旅する理由が、この平和になった世界に、再び恐怖に陥れる存在がないかどうかを見極めるためだからです。
納得はしたが、そんな生き方ではこれからも損ばかりすると言うヒュンケル。
しかしアバンは、"自分の損が世界の得になる"のであれば、それでいいと言うのです。
・・・それが勇者か・・・
アバンを見るヒュンケルの目が、今までとは少し変わりました。
少しは尊敬の念を抱いたのかも知れません。
原作でのヒュンケルは、バルトスの死の真実を知るまでは完全に心を閉ざしていましたが、その後はアバンの使徒の長男として大活躍します。
アバンの傍で一番長く弟子として過ごした彼は、その影響を強く受け育ったのです。
ヒュンケルに、ノイルを里まで送るよう言うアバン。
何故おれが?と疑問に思うヒュンケルでしたが、本当に強い男はレディにも優しいと返されます。
少し嫌そうなヒュンケルでしたが、バルトスの言葉を思い出しました。
「たとえ敵であっても、女は殺すな」
女を殺すという事は、その一族の未来を奪う事になると教えられていたのです。
そんなバルトスとの思い出に、ヒュンケルは複雑な表情を浮かべていました。
・彼らの名は・・・?
バルトスの言葉を思い出したヒュンケルは、ノイルの手を握り再び歩き始めました。
彼らが歩く道の脇では、大人しくなった魔物たちが昼寝をしています。
すると・・・!?
1匹の魔物の目が開き、凶暴化したように光りました。
一方その頃、アバンは遺跡の跡地を探索していました。
そこには、手が獣人の朽ち果てた像がありました。
この像を見たアバンは、チュゴナの様な古代遺跡がある場所は、太古には人間以外の者の支配地であったのではないかと推察します。
その時です!!
森の方から、鳥たちが一斉に飛び立ちました。
嫌な予感がするアバン。その予感は的中します。
森の中では、ヒュンケルとノイルが凶暴化した魔物たちに取り囲まれていました。
ヒュンケルにとっては懐かしい、魔物たちから魔王のような"邪気"を感じます。
何か強大な力が、魔物たちを凶暴化させている・・・
一方のアバンも、里が危ないと戻ろうとしますが、彼の頭上から声がします。
「これは失礼」
遺跡の上に立つ何者かは、ライゼのように気配を殺すのが上手くないと言います。
どうやら魔物たちは、彼の邪気の影響を受けているようです。
"魔槍のフーガ"と名乗る男は、アバンに死合いを申し込みます。
獣人のような仮面に、魔槍・・・ライゼと関わりがある事は明らかです。
その様子を見ていた大魔王バーン。
彼は、ハドラーからの報告が本当であれば、厄介な連中が地上に現れたと言います。
大魔王が厄介という程の相手、彼らの名は"ベルクス"だと判明します。
魔界の武器にベルクスと言う名、やはりロン・ベルクと何か関係がありそうです。
・感想、まとめ
魔剣のライゼ、魔斧のグロイサン、魔槍のフーガ、彼らは3人とも一対一の死合いを申し込んでいます。
魔王たちのとは違い、戦いを楽しみ己の武器を試したがっているようにも感じます。
"ベルクス"という名や、魔界の武器という点からも、ロン・ベルクと関係があるのは間違いなさそうですが、彼らの目的は一体何なのでしょうか?
また、幻の魔界編にて魔界への入り口を考察しましたが、ギュータやヨミカインといった場所にも魔界への道がありそうな事が判明しました。
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