ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第44話『さらば勇者』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2024年9月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・謎の剣士
アバンに勝負を挑んできた男は、獣人の様な顔をしていました。
しかし、筋肉を見る限り人間であり、獣の皮を仮面にしているようです。
剣の勝負を挑まれたアバンですが、今彼は丸腰です。
そんな彼に対し謎の剣士は、地上最強の存在であるアバンが、首を狙われて当然の男だと言います。
常に狙われる立場であるのに、手ぶらでぶらつく方が間違っていると言う謎の剣士。
その意見に一理あると納得したアバンは、素手で相手をすると戦闘態勢に入りました。
謎の剣士が剣に手をかけ、一触即発の状況でしたが・・・彼は瞬時に剣から手をはなします。
彼の長年の経験から、戦わずしてアバンの強さを察知したのです。
機会を改めようと言う、謎の剣士。
遊び半分で戦うべき相手ではないと理解したといい、その場をあとにしようとします。
今後も命を狙われるなら、自己紹介ぐらいしていただきたいと言うアバン。
謎の剣士の名は、"ライゼ"。"魔剣のライゼ"と名乗りました。
前回、耳の形と長髪、"鎧の魔剣"に似た鞘から、"ロン・ベルク"ではないかと予想しましたが、どうやら違ったようです。
しかし、"魔剣"という異名から、"ロン・ベルク"と何らかの関係があるのではないのでしょうか?
ライネが去った後、森の中からヒュンケルが現れます。
どうやら彼は、敵の気配を感じて駆け付けたようです。
そして、魔物に育てられ魔物の気配をアバン以上に知っているヒュンケルは、ライネから人の気配を感じなかったと言います。
その後、家に帰り"魔剣"に関して調べるアバン。
すると、特別強力な魔剣のほとんどが、魔界にその由来を持っている事が判明します。
ヒュンケルは、ライネの持つ魔剣から放たれる、異様な殺気を察知したようです。
原作での話になりますが、彼が後に同様の"魔剣"の使い手となるとは、現段階では想像もつかないでしょう。
地上に平和が戻っても、その外側からまた新たな脅威が迫ってくる・・・
アバンは、ただ勇者として新たな敵を迎え撃つ、それだけの人生で良いのかと、これからの自分の生き方について悩みます。
・アバンの生きる道
今後の生き方に悩み、眠ってしまったアバン。
彼は、カンカンという乾いた音で目が覚めます。
その音は、ヒュンケルとドリファンが剣で戦う音でした。
なんとヒュンケルの実力は、ドリファンと互角です。
そして、互角どころか、ヒュンケルの一太刀がドリファンの剣を弾き飛ばしてしまいました。
ヒュンケルの実力に、ドリファンは彼が将来とてつもない強さを手に入れるだろうと、太鼓判を押します。
実はヒュンケルから、もし自分がドリファンに勝つ事が出来たら、アバンから剣術を教えてもらえるよう頼んで欲しいと言われていたようです。
しかし、アバンとしては、せっかく平和な世の中になったのだから、ヒュンケルには戦いと無縁の生活を送ってほしいと願っています。
ヒュンケルさえよければ、ジュニアール家の養子に迎えようとまで思っていたのです。
「・・・おれに父親は必要ない」
ヒュンケルにとって父親は、バルトスだけです。
そんな彼が欲しいのは、自分を強くしてくれる"先生"なのです。
・・・先・・・生・・・!
その言葉に、はっとするアバン。
ギュータの指導者"バルゴート"の人生を知った時の、胸に迫った想いの正体が分かりました。
いずれ現れる、新たなる脅威や敵のために、ヒュンケルのような未来の担い手を育てていく事、その志に彼は惹かれたのです。
アバンの中で、点と点が繋がります。
彼は、悩んでいた己の生きる道を見出しました。
勇者は今日で休業だと言うアバン。
ここでドリファンより、"勇者"から"教師"転職するのであれば、相応の服を用意した方がよいと、アバンの父が学会で使っていた正装一式をアバン用に仕立て直すと提案がありました。
早速ドリファンは服の仕立て直しに取り掛かり、アバンは父の肖像画の様に髪にカールをかけていました。
・さらば勇者
場面は変わって、カール城ではフローラが部屋に戻ると、閉まっていた筈の窓が相手おりアバンの眼鏡が無くなっていました。
瞬時にアバンの仕業だと気付いたフローラは、なんと城から飛び降りてアバンの後を追います。
アバンに追いついたフローラは、眼鏡はアバンの物ではあるが黙って持っていくのは二人の約束に反すると、ご立腹です。
しかし、アバンとしては眼鏡がなくなった事で、フローラだけが自分が消えた事に気付いてもらえると思っての行動だったと言います。
「勇者アバンは今宵、姿を消します・・・」
月光に照らされるアバンは、勇者ではなく教師としての姿をしていました。
これは、原作でおなじみの服装、髪型です。
一番弟子となったヒュンケルと共に、旅に出ようと思っていると言うアバン。
平和を取り戻した世界の全てを見て回り、そこに潜む未知の脅威をいち早く見つけ出す。
アバンはもう、次の目標に向かって行動し始めたのです。
そして彼はまた、使命の終わった勇者の存在は、時に新しい火種となりかねないと言います。
ライネの様な新たな敵が、アバンの首を狙いにくるかも知れないからです。
人知れず消えようとしていたアバンに対し、フローラも彼はきっと城には戻らないと、彼女の直感から気付いていたようです。
フローラは一国の姫です。だから、アバンに連れていってとは言えません。
アバンはそんな事も分かった上で、黙って消えようとしていました。
「言ってらっしゃいアバン先生!」
内心は寂しさで押し潰されそうな筈ですが、気丈に笑顔でアバンを送り出すフローラ。
しかし、フローラは忘れないで欲しい事があると言います。
それは、アバンが彼女にとって、たった一人の勇者であるという事を。
そして、最後に一つだけ、その眼鏡をちゃんと私に返させてと、フローラの手でアバンに眼鏡をかけました。
・旅立ち
場所は何処か分かりませんが、ライゼが仲間達?の元に現れました。
彼らの前には、斧や弓などの7種類の武器が置かれています。
「抜け駆けは許さんぞライゼ」
獲物を物色してきただけだと言うライゼに対し、彼らはアバンの強さが気になっているようです。
「楽しい戦になるぞ」
どうやら彼らは、本格的にアバンを獲物として標的にするつもりです。
そして、"血塗られた魔界最強の武器"を地上の奴らに味合わせてやると、狼煙を上げました。
これらは全て、魔界の武器だったのですね。そうなると、やはりロン・ベルクとの関連が疑われます。
原作でロン・ベルクも、剣だけでなく様々な武器を作り、ダイたちに届けてくれました。
一方、アバンとヒュンケルは、朝陽に照らされたカール城を見ながら旅の願掛けをしていました。
そこでヒュンケルは、アバンを必ず越え、父の敵を討ってみせると心に誓います。
アバンに聞かれたヒュンケルは、本当の事は言えないため、強くなることだけと答えました。
しかし、アバンの事なので、ヒュンケルの願いには気付いていそうです。
そして、反対にヒュンケルから問われたアバンは、叶わぬ願いと言いつつこう答えます。
「この地上と・・・そこに暮らす愛する人々の平穏が・・・永遠に続きますように・・・と!」
なんと、ここで話が完結かと思われましたが、"第1部 勇者編/完"となり、"第2部 先生編"の連載が11月21日から開始される事が判明しました。
・感想、まとめ
シルエットからロン・ベルクかと思われた謎の剣士は、ライゼという名でした。
しかし、魔剣という異名やその見た目から、完全に無関係とは言い切れないと思われます。
そして、勇者として新たな敵と対峙していくという流れではなく、この時点で先生に転職していたのですね。
恰好や髪型が原作準拠になり、勇者の家庭教師として馴染みのあるアバンになりました。
なんと、魔界の武器を持つ者たちとの戦いは、第2部として描かれるようです。
11月までしばらく時間がありますが、第2部が今から楽しみですね。
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