ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第29話『ヴィオホルンの攻防』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2023年5月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・地底魔城への道
"ヴィオホルン山"は、太古には活火山であった事から登山のための山道すら存在しない、まさに天然の要塞と呼べる場所です。
地底魔城の入り口は火山口だけですが、何故か"ルーラ"や"トベルーラ"で近づく事が出来ません。
どうやら、人間の呪文を邪魔する結界が張られているようです。
原作では、大魔王バーンの居城であるバーンパレスも大魔王の魔力に覆われており、"ルーラ"で乗り込む事が出来ませんでした。
山道はありませんが、一か所だけ溶岩が流れ出した跡のような地滑りの斜面があると言うマトリフ。
しかし、当然ながら敵も人間が上がって来れるのはここだけと分かっており、正面衝突は避けられません。
この話を聞いたアバンとロカは、道が一つしかないなら答えも一つしかないと、真っ向勝負を挑むつもりです。
そしてマトリフも、彼らの答えを望んでいたようです。
・心境の変化
一方、地底魔城内ではアバンたち襲来に備え、最大迎撃体制に入っていました。
ここでガンガディアは、ハドラーの怒りを買う事を承知の上で、この場を決して動かぬよう進言します。
ガンガディアは、勇者一行が大魔道士マトリフだけでなく、戦士と僧侶も戦線復帰し"最終決戦の覚悟あり"と見受けました。
そのため、配下一同が全力で阻止し、もしハドラーが戦う事になっても、それまでにアバンたちの戦力を極限まで削っておく事が勝利のための得策と考えたからです。
この進言に対し、怒る事なく受け入れたハドラー。
普段の彼であれば、万全の状態のアバンと戦う事にこだわり、ガンガディアの意見に反対したはずです。
ハドラーの答えに疑問を抱いたガンガディアでしたが、復帰したばかりで心身が万全でないのは当然だと自分に言い聞かせ、来たる決戦に向けて自身を奮い立たせました。
一人になり、無言でうつむくハドラーの元にヒュンケルが酒を運んできました。
どうやら、バルトスに言いつけられたようです。
そしてヒュンケルは、ハドラーに対し「死なないで」と語り掛けました。
魔王が死んでしまったら、彼の父バルトスも死んでしまうからです。
それを聞いたハドラーは、「この俺が人間の勇者如きに敗れるとでも言うのか!」と激怒します。
そんなハドラーの目をジッと見つめる、ヒュンケル。
ヒュンケルは人間ですが、魔物であるバルトスに拾われました。
だから彼にとって魔物は家族であり、地底魔城は家なのです。
「お願い魔王様。家族を守って・・・!!」
ヒュンケルは、ハドラーの目をしっかりと見つめながらそう言うと、一礼してその場をあとにしました。
ハドラーは、ヒュンケルの目にアバンの目と同じ物を感じました。
怒りに震え人間への憎悪を膨らませるハドラーですが、もしかするとその震えは、恐怖の感情も混じっていたのかも知れません。
・援軍
皆が寝静まる中、一人見張り中のマトリフ。
そこに、何か眠れないと言うアバンが現れました。
アバンは、心の中の何かが警戒を解かない、妙な胸騒ぎがすると言います・・・すると次の瞬間!?
突如、二人は呪文を放つと、何者かが断末魔の叫び上げながら燃え上がります。
それは、吸血魔物"バーナバス"の群れでした。
"マホトーン"を使うバーナバスたちは、マトリフにとって厄介な相手です。
しかし、ここでロカとレイラが駆け付けてくれました。
肉弾戦が得意な二人が参戦した事により、バーナバスの群れを一掃したアバンたち。
この襲撃によって、魔王軍が自分たちに気付いている事を知ります。
安心するのも束の間、地震の様な地響きと共に、ヴィオホルン山の山頂から魔物の軍団が押し寄せてきました。
ここでアバンは、ハドラーらしくない戦法に疑問を抱きます。
マトリフはアバンの疑問に対し、流石に魔王も学習したか、ガンガディアあたりの入れ知恵だと推測しました。
なんにせよ、目の前の敵を何とかしなければなりません。しかし、あまりの敵の量に"メドローア"でまとめて吹っ飛ばす事も出来ますが、魔城内での戦いに備えて魔法力を温存しておきたい所です。
そこで、ロカとレイラが盾になると前に出ました。
彼らが剣を構えようとしたその時、マトリフが待ったをかけます。
この状況で何を待つ?当然とも言える疑問の中、マトリフは"夜明けを待つ"と意味深な言葉を呟きました。
そして次の瞬間!?
魔物の群れに次々と呪文が突き刺さりました!
パプニカの兵士たちです!!
実はマトリフ、こんな事もあろうと各国の猛者たちに援軍を頼んでいたのでした。
そして、次々と援軍が到着します。
その面々は、ディードック率いる荒くれ者の軍団や、チョコマを始めとするギュータの住民たちでした。
更に・・・!?
なんと最後に到着したのは、フローラ姫率いるカールの兵士たちでした。
以前マトリフが言っていた、「色々楽しみにしてな」という言葉はこの事だったのです。
・感想、まとめ
ハドラーは、凍れる時間の秘宝が解けてから心境にかなりの変化がある様子です。
以前であれば、アバンとの正々堂々とした戦いを望んでいた筈ですが、今の彼にはその心意気は感じられません。
まさに、原作中盤あたりまでのハドラーの性格そのものと言えるでしょう。
勇者アバン連載開始時は、ハドラーの性格が超魔生物に化した後に近いと感じましたが、この様な形でしっかりと原作に繋げるとは流石です。
そして、最終決戦場に続々と援軍が駆け付けてくれました。彼らに魔物の軍団を任せ、ついに地底魔城突入となるのでしょうか?
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