ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第2部「先生編」 48話『宣戦布告』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2025年4月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。

・はぐれ武器
魔界でベルクスたちは、"はぐれ武器"と呼ばれ忌み嫌れているようです。
魔界最高の名工に作られた武器には、それ自身にも意思があります。
原作での"ダイの剣"がそうでした。
しかし、その中でもまれにその意思が増大し、人格のように進化する武器が現れました。
それこそが彼ら"ベルクス"なのです。



ある者は主人を失い慟哭し、またある者は主人の力に失望し見捨てる・・・
しかし、どこまで行っても彼らは武器でしかありません。
彼らには"振るってくれる者"が必要です。
そこで発想を変え、戦士が武器を手に入れるように、武器が持ち手を手に入れるようになったのです。
彼らに負け、貫かれた相手は、肉体を乗っ取られてしまいます。
そして、使い潰したら次の更に強い身体へと乗り換える・・・
ベルクスたちがかぶっている獣の仮面は、顔を隠すだけでなく、彼らの魔力を肉体に伝える役割を果たしていると推測したアバン。
その証拠に先ほどのフーガとの戦いにおいて、アバンの空の技が仮面に直撃した際、肉体との連動が一度途絶えました。


アバンの頭の切れ具合に感心するライゼでしたが、空の技は武器本体には効かないといいます。
彼らの魂は邪気が憑りついたものではなく、生まれついて持った本物だからです。
更にアバンは、フーガの「ハードルが上がってしまった」という言葉の意味も理解しました。
アバンが槍術を見せた事から、瀕死にしてその身体を手に入れなければならなくなったからです。
そして、アバンの身体を欲しているのはフーガだけではありません。
今、目の前にいるライゼの狙いもアバンの身体です。


・ピンチを救ったのは・・・?
一方、アバンとライぜのやりとりを見ていたバーンとハドラー。
ハドラーはクロコダインと戦った相手が、ベルクスだった事に気付きます。
しかし、"魔斧のグロイサン"はクロコダインに武器本体を砕かれたため、もう生きてはいないと言うバーン。
彼らベルクスは小さな傷であれば自然に修復するが、大きく破損すれば一族が打ち直さない限り崩壊するようです。
はぐれ武器には自分の肉体となる身体が必要な事から、必然的にその狙いは地上最強の力を持つアバンしかありません。


魔族は長生きだが、身体の支配が今一つだと言うライゼ。
彼らには、地上の人間や獣人が最適だという答えに達したようです。
彼の中で長年にわたって蓄えられてきた魔剣技と、魔王を倒した最強の身体が融合する事で、空前の剣士が誕生する・・・
「ふざけるなァぁ!」
そんな己の欲望を語るライゼに対して、大声で怒りを露わにしたのはフーガでした。
アバンが槍も使えると知った以上、彼もアバンの身体を狙っているからです。
しかし、「黙っていろよ棒っきれ」とライゼも獲物を渡すつもりはありません。


ブチ切れたフーガは、再度身体に武器を持たせアバンに襲い掛かります。
飛び掛かってくるフーガに対し、構えをとるアバン。
両者激突かと思われた、次の瞬間!?
回転しながらフーガを弾き飛ばしたのは、ヒュンケルでした。
なんと彼は、ほうきでフーガを吹っ飛ばしてしまったのです。
そしてその頃、ノイルが身を隠す洞窟に村の人達が避難してきました。
どうやらヒュンケルが、村を襲っていた魔物を追い払ってくれたようです。


・アバンを狙う者たち
子供なのにとんでもない力だと、フーガは驚きを隠せません。
フーガは何か閃いたように、ヒュンケルに襲い掛かろうとしました。
もしかしたら、ヒュンケルの身体を狙ったのかもしれません。
しかし・・・!?
「見苦しいってフーガ、おまえのターンはもう終わりでいいだろう」
そう言って、フーガの頭を片手で軽く掴み持ち上げる謎の大男。
その隣には、女性の姿も見えます。
彼らの名は、"スイグン"と"テンペスト"、新たな魔剣2本の登場です。
どうやら、はぐれ武器は魔剣が一番多いようです。そのため、アバン狙いの倍率が跳ね上がってしまうと言うライゼ。
彼らの狙いがアバンの身体である以上、彼らは集団で襲ってくる事はありません。
この中の誰か、もしくは他の誰かの内から挑戦者を絞って、再度現れると言います。
リーダー気取りのライゼに、勝手に一人で仕切るなと怒りを露わにするスイグン。
ベルクスたちの中に序列はないようです。
去り際に二人は、ライゼと同程度の魔剣だと思われるのは心外だと、自身の名を名乗ります。
大男は、"魔重剣のスイグン"。斬るというよりは叩き潰す剣といったところです。
一方の女性の方は、"魔妖剣のテンペスト"。レイピアの様な見た目ですが、刀身がくねくねと曲がり、登場時はフーガの本体である槍に巻き付き押さえている様に見えました。


彼らは何者なのか?ヒュンケルの問いに対して、アバンは"火種"みたいな物だと答えます。
魔界の戦火から舞い上がった・・・争いの火種・・・
火種の内に鎮火させておかないと、取り返しのつかない大火事になってしまいます。
まさにアバンは、こういった火種を消すために世界を旅しているのです。
その頃バーンは、ハドラーの肉体に精神を戻すのを遅らせるか?と提案していました。
放っておけば、アバンをベルクスに仕留められてしまう可能性があるからです。
しかし、ハドラーの答えは"NO"でした。己の復讐のためにバーンの計画を遅らせる訳にはいきません。
それに、そんなはぐれ武器ごときに倒されてしまうようであれば、しょせんはそこまでの男という事です。


村人たちが避難していた洞窟へとやってきた二人。
もう安全だから、村へ戻ろうと伝えにきたのです。
みんなが村へ戻ろうとする中、ふと女神像に目をやったヒュンケル。
赤ん坊を抱くその姿に、自分にも人間の母親がいたはずだと、複雑そうな表情を見せます。
次にアバンたちが目指す場所は、過去に一度行った事のある場所だそうです。
はぐれ武器たちの襲撃に対策を講じるためのようですが、一体どこなのでしょうか?
アバンは"ルーラ"で向かおうと提案しますが、ヒュンケルは露骨に嫌そうな表情をしています。
どうやら、まだ覚えたてであり着地に難があるようです。
あれは、着地ではなく墜落だと言うヒュンケル。
原作でも、弟子のポップは着地が下手だと不評でした。



旅立とうとする二人に、遠くから手を振るノイル。
彼女はほうきを片手に、勇ましい表情を見せてくれました。
今回の件で、ヒュンケルから大切なものを学んだのでしょう。
「・・・一つ約束してくれませんか?」
突如、改まったお願いをするヒュンケル。それは、あんな武器の化物なんかに負けないでほしいといった願いでした。
それは、アバンの身を案じるというよりも、アバンに勝つのはこの俺だという意思表示だったのです。



・感想、まとめ
あらたな魔剣2本が登場しました。
ライゼは正統派の剣といったところですが、新たに登場した2本はかなり特殊な形をしていました。
第44話『さらば勇者』では、8本の武器が描かれており、現段階で魔剣のライゼ、魔槍のフーガ、魔斧のグロイサン、魔重剣のスイグン、魔妖剣のテンペストの5本が登場しています。
残り3本の武器も、これから登場してくるのでしょう。
これで、ハドラー、ヒュンケル、ベルクスたちと、物語に登場する主要な者たちが皆、アバンを狙っている構図になりました。
次にアバンたちが向かう場所は、何処なのでしょうか?一度行った事があり、ベルクスたちの追跡を巻き、襲撃に対策を講じるための場所とは?
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