ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第37話『決闘・地獄門』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2024年2月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・地獄の騎士
対峙する、アバンとバルトス。
魔王の間へと続く"地獄門"は、門番であるバルトスが閉じており、アバンが門を通過するにはバルトスの生命を絶つ以外に方法はないようです。
互いの準備を確認した所で、ついに勝負が始まりました。
6本の腕から繰り出されるバルトスの攻撃は絶えまなく、しかも太刀筋も変幻自在です。
その頃、身を隠していたヒュンケルは、床に散らばる木で作った剣を見て、バルトスに剣術を教えてもらった事を思い出していました。
父さんの様に強くなりたいと、剣術を教えてほしいとせがむヒュンケル。
バルトスは、まだ早いのではないかと問いますが、小さい頃から覚えた方が強くなると言うヒュンケルに対し、片手で相手をすると笑顔で答えています。
そして、全力でかかってくるヒュンケルを、バルトスは片手で軽くいなしています。
そんな父親との思い出を浮かべながら、必ず勝ってほしいと強く願うヒュンケル。
この後、バルトスの死の真相を知らない彼は、アバンを親の仇として憎み、魔王軍の軍団長にまで昇り詰める事になります。
バルトスの渾身の突きは、壁に大穴を開けてしまいました。
その凄まじい威力に、改めて地獄の騎士の剣の恐ろしさを実感するアバン。
ハドラーの禁呪法によって生み出された地獄の騎士は、戦場の骸の山から優れた剣士の屍を使っているようです。
しかも、その際に最も強い剣技を持つ腕の骨が複数本選ばれ、本体に融合するといいます。
つまり、剣の達人6人を同時に相手しているのに等しいのです。
・足りん・・・!?
先ほど壁に大穴を開けた攻撃は、生前突きの達人であった者の腕に違いありません。
剛剣の腕、素早い剣の腕、払い技の腕、千差万別の攻撃が絶え間なく襲ってきます。
しかし、バルトスの強さは、腕の持ち主の素質だけではありません。
彼は、厳しい鍛錬によって更に腕に磨きをかけているのです。
「足りん・・・足りんな・・・」
バルトスは心で呟きます。
アバンの実力では、己の心を満たすには足らないという事でしょうか?
圧倒的なバルトスの強さに、覚悟を決めたアバン。
何か、剣を置くような仕草を見せた彼でしたが、その後首を横に振り、再度剣を構えます。
バルトスは、アバンの謎の行動にどうかしたのか?と不思議そうです。
一瞬の気の迷いだと言うアバンは、魔王と戦うために力の温存を考えたと言います。
しかし、彼が今まで培ってきた剣の全てをぶつけて戦う事が、敵に対しても正々堂々と挑んできてくれたバルトスへの礼儀だと思い直したのでした。
今度は、アバンから仕掛けます。
飛び掛かりながら放った一撃に対し、腕4本を使いガードするバルトスでしたが、余りにも強力な威力に驚愕の表情を浮かべています。
バルトスは、フリーの腕で攻撃しますが・・・それを読んでいたのか、アバンの一太刀が先にバルトスの身体をかすめました。
その後も続くアバンの猛攻に、防戦一方のバルトス。
「・・・足りん!足りん!足りん足りん足りん!」
遂に、アバンの一撃が6本中1本の剣を弾き飛ばしました。
「腕が6本では・・・足りんっ・・・!!」
バルトスが足りないと言っていたのは、アバンの実力ではなく、己の腕が6本では足りないという意味だったのです。
バルトスの腕の攻撃の性質を、早くも見切りはじめているアバン。
その上、それぞれに対応した剣撃を臨機応変に放つという、とんでもない実力のアバンに、このままでは全ての太刀筋を見抜かれ押し切られると、バルトスは戦法を変える決意をします。
そして何と・・・!?
バルトスは、自ら剣を2本投げ捨てました。
その後、彼がとった構えは"不動地獄剣"。
これを迎撃の構えだと、瞬時に判断したアバン。
剣を3本に絞り、一撃の威力をまして三段構えで相手の攻撃を迎え撃つ構えです。
・決着
アバンの強さには、驚かされたと言うバルトス。
しかし、屈する訳にはいきません。
"地獄門"を死守するのが彼の使命であり、またハドラーの信頼を取り戻すためには、たとえ死しても勇者だけはこの場で止めなければならないのです。
バルトスの"不動地獄剣"に対し、アバンはなんと"大地斬"を放つつもりです。
力の剣を選択したアバンに対し、ただの剛剣では弾かれ即、二、三撃目をくらうのみだと警告します。
しかし、あいにく腕は2本しかなく、出来る事はこれしかないと作戦を変える気は無さそうです。
そして、思いっきりジャンプしたアバンは、"大地斬"を叩き込みました。
「もらった!」
バルトスからすれば、飛んで火にいる夏の虫です。
ガードして、次の攻撃で仕留める筈でしたが・・・!?
なんとアバンは、二、三撃目を放つ事が出来ない程の超威力で押し込み、バルトスに攻撃をさせませんでした。
アバンの超威力の一撃に、全ての腕でガードするしかないバルトス。
その後、そのままバルトスを押しのけたアバンは、すかさず"海波斬"を放ち、3本の剣全てを弾き飛ばしました。
丸腰になってしまったバルトスは、己の負けを認め死を覚悟します。
バルトスはヒュンケルを思い浮かべ、目を閉じながら今際の際をじっと待ちます。
しかし・・・!?
アバンは彼に止めをささず、剣を納めます。
情けを掛けられたと感じたバルトスは、そんな物は門番の自分にとって屈辱でしかないと声を荒げました。
自分でもよく分からないと言うアバン。
自然に手が止まったと言う彼は、"バルトスの首飾り"を指さしました。
戦いが始まった時から、"バルトスの首飾り"に気付いていたと言うアバン。
彼には、"空裂斬"という邪気そのものを断つ剣技があります。
魔王戦に備え力を温存しようとした言っていたのは、"空裂斬"で戦うつもりだったという事だったのです。
そうしていれば、今ほど傷付く事なく戦いを終えられていたでしょう。
しかし、アバンはバルトスの生命を奪う事にためらいがありました。
そしてそれは今もそうであり、多少無謀でもバルトスの武器だけを奪い勝利できる攻撃方法を選んでいたと言います。
アバンは分かっていたのです。その首飾りを作ったのが子供だという事に・・・
まさかとは思いましたが、バルトスにも"家族"がいると一瞬考えたら、斬れなくなったのです。
・感想、まとめ
アバンとバルトスの対決に終止符が打たれました。
奥義を力尽くで破られたバルトスは、完敗といった所でしょう。
"地獄の騎士"の誕生秘話も語られ、バルトスというキャラが深掘りされました。
この流れから、バルトスはハドラーを裏切りアバンを通過させるのでしょう。
残すは、魔王ハドラーのみです。来年からは、ハドラーとの最終決戦が描かれます。
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