ドラゴンクエスト ダイの大冒険の外伝的なスピンオフ作品である、 勇者アバンと獄炎の魔王の第43話『揺れる世界』ネタバレ、感想記事です。
今回の内容は、Vジャンプ2024年8月号でご覧になれます。
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※ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方は注意。
・大魔王への謁見
布越しも分かる、威圧感と絶大な魔力。
それはもはや、この世のものではないと感じるハドラー。
バーンから新生魔王軍の編成の進捗を問われると、彼は"妖魔師団長"を確保した事を報告しました。
そして、"百獣魔団"の団長にも、確実に戦力となる猛者に心当たりがあると言います。
この猛者とは、シルエットからも"クロコダイン"である事が分かります。
また、バーンからも適任者が与えられました。
バーンが指さしたのは、彼の側近である"ミストバーン"です。
バーンが絶大な信頼を置く"影の男"には、"魔影軍団"を任せると言います。
そして、もう一人・・・
バーンがそう言うと、どこからともなく"笛の音"が聞こえます。
笛の音の主は、死神"キルバーン"です。
しかし、キルバーンは姿を現しません。彼の任務は、バーンの意にそぐわない者を始末する事・・・
すなわち、ハドラーが彼の姿を見る時は、バーンから不要だとみなされた時なのです。
恐怖から冷や汗をかくハドラーは、「そのような失望はさせません!」と、膝をつき誓うのでした。
バーンとの謁見が終わり部屋を出たハドラーは、精神体である己が全身総毛立ち、汗ばむような感覚に襲われている事に驚きを隠せません。
異次元な力の差に、上には上がいる事を改めてしらされたハドラー。
しかし、その大魔王が己の肉体を改造してくれるという、これ以上の後ろ盾はありません。
魔族にとって十数年など一瞬だと、アバンへの復讐に燃えるハドラーでした。
一方、バーンとキルバーンは、ハドラーについて談笑していました。
ハドラーの改造に要する13年間、地上はどう動くと思うかと問うバーン。
魔王がいなくなり平和になるはずですが、キルバーンの答えは違いました。
彼は、人間どもの小競り合いが始まると予想します。これにはバーンも同意のようです。
そして、彼らの予想は残念ながら的中していました。
魔王からの脅威がある内は一致団結していた世界の各国に、静かな乱れが生じ始める事になります・・・
・その後の勇者一行
アバンたち勇者一行は、それぞれ故郷へと帰っていました。
深手を負ったロカは治療に専念するためにネイル村に帰り、その彼をレイラが献身的に支えます。
故郷である"ギュータ"を失ったマトリフは、彼を信奉するパプニカの神官たちによって国に招かれ、特別待遇の集中治療を受けることになりました。
そして、勇者アバンはバルトスとの約束を守り、ヒュンケルをジュニアール家に招き育て始めました。
皆それぞれの戦後を過ごしますが、その後、この四人が同時に顔を揃える事は、もう二度となかったようです・・・
これは、原作で既に故人となっていたロカの事を指しているのでしょうか?
・ベンガーナ随一の刀鍛冶
パプニカでは、マトリフを国王の相談役に抜擢しようという動きがあるようです。
しかし、その事が気に入らないのか、テムジンは反対しています。自身の立場が脅かされるかも知れませんからね。
国王はマトリフをこの世に類を見ない、優れた魔法使いだと称賛します。
彼の傷が癒え次第、国王直々に依頼するようです。
一方、ベンガーナ王国では、他国が魔王軍との戦いで疲弊している今こそ、軍備を拡大しておく絶好の機会だと大臣が熱弁していました。
そこに、一人の男が立ち上がります。
「魔王と戦った国々の寝首をかくために、武器を作っとけ」と?
その質問に大臣が「その通りだ」と答えると、なんとその男は、大臣の顔面を思いっ切りぶん殴りました。
その男とは、原作にも登場する、ポップの父親"ジャンク"でした。
ただでさえ、この国の刀鍛冶として恥ずかしくて仕方なかったと言う、ジャンク。
魔王軍との戦いにおいてベンガーナの騎士たちは、あまり力になれなかったようです。
その上、生命を削って戦い消耗した他国を、彼の作った武器で脅かそうなど、心底愛想が尽きたと怒りが収まらない様子です。
一人の騎士がジャンクの無礼な行動に斬りかかりますが、彼がその攻撃を剣で防ぐと、騎士の剣の方に亀裂が入ってしまいました。
そして、騎士の顔の横に剣を突き立てたジャンクは、俺のこの城での最後の仕事だと言い残し、城をあとにしました。
怒りに我を忘れ、啖呵を切って城を出てきたジャンクですが、自宅の前を行ったり来たりして中に入りづらそうにしています。
すると、扉が開き妻である"スティーヌ"が出てきました。
この時点で、スティーヌの身体にはポップが宿っているようです。
どうしても我慢が出来ず、気が付いたら大臣をぶん殴ってしまったと、正直に謝罪するジャンク。
そんな彼に、スティーヌは笑顔で「今度生まれてくる私たちの子供は、武器屋の息子ね」と答えました。
スティーヌは故郷の"ランカークス"に帰り、父の武器屋を二人で継げばいいと言いますが・・・
どうやら二人は、駆け落ち同然で結婚していたようです。
それを今さら、どの面さげてお義父さんに会えばいいのだと、ジャンクは頭を抱えています、
彼が王宮仕えの武器職人だから、まだ恰好がついていたのにと言うと、彼女は「私、王宮と結婚したつもりはないわよ」と、優しく声をかけます。
スティーヌの言葉に勇気づけられたのか、ジャンクは「今度は、ランカークス村一の鍛冶屋になってやる」と宣言しました。
ポップの持つ芯の強さは、母親であるスティーヌ譲りなのかも知れませんね。
・謎の男
カール王国では、フローラとアバンを結婚させようという動きがあるようです。
そこには、王の亡きあと空位になっている王座をフローラが継ぎ女王となり、その際に新国王として勇者アバンを迎える事が対外的にも一番だという思惑があります。
そんな思惑をフローラは見抜いていました。
勇者を生んだカールこそ、世界の要である事を国内外に知らしめる必要があると、側近たちは説明しますが・・・
アバンもカールも一人の力で勝ったのではないと、フローラは語気を強めます。
しかし、側近たちが考えているのは、国の威信だけではありません。
アバンの表舞台を嫌う性格は知った上で、最近ほとんど彼が城に顔を見せない事から、フローラの心を思うと歯痒く思っているのです。
フローラは、アバンがマイペースな事には慣れていると言いますが・・・表情は寂しそうです。
一方、マトリフから届いた手紙を読むアバン。
そこには、ベッドから動けないボヤキと、パプニカの家臣たちの悪口が書かれていました。
アバンはその内容から、パプニカの雰囲気がよくない事を察します。
魔王を倒して平和は戻りましたが、新たな動乱が始まるかもしれない・・・下手すると人間同士の争いが。
皮肉にも、勇者アバンと大魔王バーンの予想が一致しました。
そこへ、木の剣を持ったヒュンケルが現れます。
彼は、裏山へ散歩に行くと言っていますが、散歩に剣は必要ありません。
魔物の生き残りがいた時の用心と説明するヒュンケル。
アバンに一向に懐かないという彼は、戦いの稽古がしたいようです。
それもそのはず、ヒュンケルは強くなってアバンを倒し、父の仇を討つ事が目標なのです。
そうは思っていないアバンは、平和が戻ったのだから戦いとは無縁な生き方をして欲しいと願っています。
帰りが遅いヒュンケルを心配するアバン。
彼が裏山に捜しにいくと、そこに奇妙な剣を携えた一人の男が・・・
その剣は、原作に登場したヒュンケルの装備"鎧の魔剣"に感じが似ています。。
"旅の剣豪"を名乗る彼は、なんとアバンに勝負を申し込んできました。
禍々しい剣に"尖った耳"・・・おそらく"あの男"だと思われますが・・・真相は!?
・感想、まとめ
魔王がいなくなり平和が戻った世界では、人間たちの争いが始まろうとしていました。
現実世界にも言える事ですが、人間とは欲深い生き物です。
共通の敵がいなくなると、今度は我こそはと覇権を争い始めます。
今回は、ポップの両親が登場しました。
原作でジャンクは、ポップが家で同然でアバンに弟子入りした事を怒っていましたが、彼自身も駆け落ち同然での結婚をしていたのですね。
また、"鎧の魔剣"に似た剣を持った謎の剣豪が登場しました。
尖った耳からも"あの男"に間違いないと思われますが、彼らは原作以前に顔を合わせていたのですね。
この剣豪はとてつもなく強いはずですが、果たしてアバンは勝負を受け入れるのでしょうか?
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